VFX特殊撮影コース

今日の最先端のVFX技術と
映画の歴史の中で育まれてきた特殊撮影技術を
並行して網羅的に学ぶ

今⽇の映画制作のワークフローにおいて⽋かすことの出来ない映像の視覚効果に関する概念や知識を網羅的に実践を通して学びながら、その技術や技法を⾝に着け、映画界の中核を担える⼈材を育成します。

特殊撮影技術と最新のデジタルVFX技術とを並列的に習得できるのが本コースの特色であり、すべての講義は専門的かつ実践的な内容になります。また⽇本で発達した【特撮】の⽂化的意義、技術的意義をあらたな視点で捉え直し、変化しつづける映像業界のニーズに答えられるバランスの取れた⼈材の育成を目指します。

VFX特殊撮影コース

コース紹介

学びのポイント

POINT 1

最新VFXと実写と「特殊撮影」の両方を幅広く学び、デジタルとアナログを融合させた多様な映像表現を開拓します。

POINT 2

実践的な演習を積み上げて即戦力を目指します。

POINT 3

映画制作のすべての工程で視覚効果の役割を果たせるように知識と技術を身につけます。

学びの流れ

2年次前期

VFX・特撮のリテラシー向上と基礎概念の理解、最新技法につながる基礎を習得する
「VFX特殊撮影基礎演習Ⅰ」

作品研究からVFX・特殊撮影の基礎的知識を向上させるとともに技術発達史の学びを通じて、その概念を理解します。機材の取り扱いに習熟し、特殊撮影の基礎的⼿法を習得します。画像合成の概念を理解し、画像処理ソフトウェアを⽤いて基礎的な画像合成⼿法の演習を⾏います。


2年次後期

VFX・特殊撮影の演出概念と作品への取り組み⽅を理解し、適⽤技術の知識を深める
「VFX特殊撮影基礎演習Ⅱ」

特殊撮影技術全般(特殊美術・特殊効果・操演など)への知識を得ながら理解を深め、その使⽤法や適⽤法を学びます。並⾏してデジタルによる画像処理の概念と技法を学びます。VFX・特撮の演出⼿法・プラニングを実例から学び、その技術分析と研究をします。


3年次前期

ケースメソッドによるVFX特殊撮影の理解と実践を繰り返し、3DCGの基礎を学ぶ
「VFX特殊撮影専門演習Ⅰ」

2年次までに習得した知識と技法を⽤いて、VFX・特殊撮影に関する代表的な課題に取り組み、実践を通してスキルアップを図ります。CGの基礎知識を学びながら3D空間の概念を理解するとともに、実写映像における3DCGの利⽤法の実際を学びます。


3年次後期

VFX・特撮を取り入れた短編映画を作ってグループワークによる協働の訓練をする
「VFX特殊撮影専門演習Ⅱ」

短編作品の企画から完成までをグループワークで⾏い、制作実務を経験しながら様々な技術や知識を習得し、協業の⼒を⾝につけます。短編制作を通じてデジタル画像処理のスキルを実践から獲得します。


4年次

VFX・特撮場面を軸としたドラマ作りからVFX・特撮技術者のスキルを獲得する
「卒業制作〈VFX特殊撮影ドラマ〉」

コースの特性を活かした企画・脚本による視覚効果を⾒所としたドラマ制作をコース⽣で⾏います。出来上がった作品の上映まで⾃分たちの⼿で⾏うことで、映画をどのように観客に届けるのか、「⾒せる」ためのプロセスも体験的に学びます。(卒業制作上映会公式HPはこちら


メッセージ

尾上 克郎

映画作りのすべてを把握し映像表現を豊かにする力を育む

尾上 克郎Onoue Katsuro特任教授

映画現場のスタッフ育成で実績があり、しかも大学である日本映画大学で、視覚効果、いわゆるヴィジュアル・エフェクト(VFX)について学生が何をどう学ぶべきか、ずいぶん悩みました。結論として最先端のVFX技術と映画の歴史の中で育まれた特殊撮影の手法を可能な限り網羅的に学ぶことが、学生たちの将来の可能性を広げるのに最適だろうと考えました。

このコースで学ぶ学生は視覚効果という広大かつ栄養豊かな大地から、一つひとつの知恵や技術を吸い上げ、それを養分とし、枝葉を広げ、やがて「視覚効果の大樹」に育つ。そういうイメージです。そのため、これ以上ないと言うほどの内容をカリキュラムに詰め込みました。その分、浅く広くという側面もありますが、視覚効果の根本的な概念と技術の概要を総体的に学んだ上で、興味をもった分野を各自で探究してもらえるようなカリキュラムにしました。

各授業はそれぞれの分野でトップクラスのクリエーターたちに来てもらう予定です。学年単位ではまず2年次にVFXから特殊撮影までの細目の知識と技術を学びます。
3年次は課題をどう解決するか、自分たちで実際にやってみる「ケースメソッド」の実習を積み重ねた上で、4年次の卒業制作に向かいます。視覚効果は演出・撮影・編集・脚本・制作などすべてのパートとの連携も不可欠です。そのため、学年を問わず、他コースとの連携に積極的に取り組み実践的なスキルを身につけてもらいます。

今日の映画作りに視覚効果は必要不可欠です。そのため、エキスパートである視覚効果スタッフには通常の映画技術のみならず多岐にわたる知識と知見が要求されます。技術の進歩がこれまでになく速度を増す中で、映画作りのすべてを把握し映像表現を豊かにする力、頼りになる存在に育ってもらうことがこのコースの目標です。