Now Loading

NOW LOADING

top
Affirm myself

Affirm myself

2021|39min|ドキュメンタリー

イントロダクション

――  LGBT+ ――
L レズビアン(女性同性愛者)
G ゲイ(男性同性愛者)
B バイセクシャル(両性愛者)
T トランスジェンダー(性別越境者)

トランスジェンダーとは性自認と身体的な性が一致していない状態を指す、広義な言葉である。本作は、トランスジェンダーである監督、植村二千果が自己を見つめたいという思いから制作された。
トランスジェンダーという言葉は1990年代に使われ始めるが、それ以前から、割り当てられた性別と異なる性自認で生きるという概念はあり、1952年クリスティーヌ・ヨルゲンセンが女性として生きるため、世界で初めて性別適合手術を行った。
日本で初めて適合手術が行われたのは1998年10月。監督、植村が生まれた年であった。

近年、マスメディア等によりLGBT+という言葉が多用されはじめた。
その一方で2011年に国連人権理事会で採択された「SOGIに関する人権決議」のSOGIという言葉が少しずつ認知されはじめた。

SOGI(ソジ・ソギ)とは
Sexual Orientation:性的指向(好きになる性)、Gender Identity:性自認(心の性)の略である。
SOGIは誰もが持っている属性であり、すべての人に関わる人権問題である。
国連がセクシュアルマイノリティの総称である“LGBT+”をあえて使わずに“SOGI”を全面的に使った背景には、この問題を特定の人々にのみ配慮するものと捉えるのではなく、すべての人の対等・平等・人権の尊重を課題として捉えるという考えがあった。本作のテーマ“自己を認める”は他者からの尊重があり成立できる。よってこの作品も、すべての人の課題だと捉えて観てもらいたい。

ストーリー

20歳の植村二千果は幼い頃からトランスジェンダーであることに生きづらさを感じていた。彼は勤める新宿二丁目のbar星男のオーナー・櫻田宗久に助言をもらい、自らを偽らずに生きることを知っていく。そんな中、彼は絵のモデルを依頼される。トランスジェンダーの友人、良青や瑠依との会話。また、良青も同じくして被写体の経験をする。肉体を晒すモデルを通して、彼らは自己を再確認(Affirm myself)していく。

キャスト

櫻田宗久
渡邉良青
秋山瑠衣

スタッフ

企画・監督:植村二千果
撮影:植村二千果、汪浩然、会川聡美
録音:柳欢娜
編集:植村二千果、会川聡美


協力:新井英樹、窪田美樹、田日苗水、このよのはる
制作協力:秦暁源、孟益竹、陳樹美、伊藤草良、茂木桜、林ななみ
撮影協力:アートバー 星男、路地と人、SYP gallery
参考文献:「Olive」1994年12月18日号(平凡出版株式会社)
資料提供:斎藤久志、韓東賢
特別協力:中村高寛
音楽:堀下美佳

監督コメント

僕は何を撮りたかったのか。卒業制作を終えた今でも考え続けている。
服を脱ぎ、トランスジェンダーであることを公言してセルフドキュメンタリーを撮ることは大きな決断だった。
数年前から周囲の環境にカミングアウトしはじめた時、酷く驚いた。子供の頃から想像していたカミングアウト後の現実と大きく違っていたからだ。端的な感想を言えば“生きていけるじゃん”と思った。その時、自分自身がいかに偏見を持っていたか、自分の中に閉じこもっていたのかを思い知った。このことを、どうしても撮らなければならないと思った。
撮影をはじめてみると、思う様に自己を捉えられず苦しんだ。
自らの傷に光を当てることが、これほど難しいとは思わなかった。
走っても、走っても糸口が見つからず憔悴しきっていた。このまま作り上げられるのかも、この目で自分の姿が映ったスクリーンを確かめられるのかも分からずにいた。
そんな考えを繰り返しているうちに、ふと、ここまで来たんだからどう転んでもこの作品を作り上げようと思う瞬間が訪れた。
人はあきれるほど弱く、時として信じられないほど強くなる。
この力を纏った人達を僕は見つめてきた。

監督:植村二千果

メインビジュアル

Affirm myself