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蛹の中

蛹の中

2021|30min|ドラマ

イントロダクション

容姿端麗、スポーツ万能な園田玲可は、インターハイに出場するほどのテニスの実力を持つ。恋人や女ともだち、親との、どこか上辺だけの関係をくだらないものだと感じ、鬱々とした気分を持て余していた。彼女の楽しみは、冴えない教師・吉原智則との放課後のテニス練習。なぜテニス初心者の吉原とテニス練習をするのかいぶかしむ周囲に対し玲可は、「先生だから、いいの。」と蠱惑こわく的に微笑む。吉原もまた玲可に魅了され、触発され、自らの殻を破り、解き放たれてゆく。「先生は、私と同じです。」お互いがお互いを重ね合わせ、本当の繋がりを求めあっていく。藻掻いて、蠢いて、傷つきあって。やがて少女は跳躍の羽を得るー。

「人間の秘めたる欲望を、ありのままに描きたい。」
そう語るのは監督・脚本の日高虎太郎。「人と人とが本当に繋がりあうとは、一体どういうことなのか」を常に自問し、脚本を練り上げ、メガホンを取った。キャラクター達の強かさも、もろさも、包み隠さずスクリーンに映し出すことを徹底し、決して追及の手を休めない。周りを見下し、「ほんとバカみたい」と嘲笑う玲可の表情は、テニスの試合のシーンでは相手選手に追い込まれ、苦渋に歪む。息遣い、眉根に深く刻まれた皺、汗の一粒さえも逃さずアップで捕らえた。
情と欲、愛と暴力とが絡まり合う30分間。他者を切り捨て、二人だけの世界に堕ちてゆく二人。生徒と教師、禁断の愛の物語が今、幕を開ける。

ストーリー

園田玲可は容姿端麗。テニスでインターハイ出場を決め、彼氏も友達もいて、充実した生活を送っている。一方で、周囲との関係を上辺だけの下らないものだと感じ、満たされない思いを抱えていた。玲可の楽しみは、冴えない教師・吉原とのテニス練習。二人で過ごす時間が増える中、吉原もまた、玲可に己を重ね合わせ、強く惹かれていく。天に在っては比翼の鳥、地に在っては連理の枝。行き着く先は、天か地か。

キャスト

大島璃乃
竹中寛幸
高崎凌
富田保乃歌
比嘉奈菜子
中島萌望
滝川ひとみ
餌取世麗

スタッフ

脚本・監督:日高虎太郎
プロデューサー:西田直仁
撮影:岡本錬
照明:紀孟辰
録音・整音:パクウルビン
編集:古平夢夏
記録:森田真以
助監督:岩田侑樹、近藤幼菜、田承潤
制作:高野正弦、小川信一朗
撮影助手:河野晃大、張瑾、水野眞奈
照明助手:阮辰鳴、高婧
録音助手:嚴智、得永大嵩、丁昱愷
編集助手:大谷斉意、松本大空
音楽:大村知也
車両:山中同


アクション指導:渡部祐希
テニス指導:伊良子妙子
グレーディング:(株)IMAGICA 高田淳
主題歌:「蛹」 作詞/作曲:高橋 のりえ
劇中歌:「淋しい熱帯魚」 作詞:及川眠子 作曲:尾関昌也
テニス取材協力:レックインドアテニススクール、伊藤健太郎 
車両協力:バルクレンタカーアンドセールス
撮影協力:株式会社ハイライトフィルム
美術協力:日映装飾美術、高津装飾美術
カラオケ音源制作協力:Tim from Sarcasm City
音楽協力:JASRAC
エキストラ協力:青柳和希、生地遊人、王姿群、大川青葉、梶浦健太、角野悠人、清平和世志、小久保匠望、柴田康平、嶋崎友也、張祁東、堤大河、東中道明、前野敬、武藤瑠奈、吉田光伶、渡辺こころ、今井美希、上島花菜子、大高拓人、金澤颯、木村絵麻、嶋谷有希子、竹内佑太郎、新苗和海、林ななみ、枡澤舞子、松田和泉、室伏郁伽
ロケ協力:緑テニスガーデン、カラオケドヌオス鶴ヶ峰店、田園調布学園大学、たちかわ創造舎、川尻八幡宮、泉中央テニスガーデン、コミュニティプラザひまわり、インスタベースde蒲田、堂ヶ谷戸橋、小磯ノ鼻
衣装協力:芸術総合高等学校 演劇部、伊良子妙子、嶋田紫花、粕谷恵里花、中島可蓮、吉村春那、清原日菜絵、橋本茜

監督コメント

この作品では1人の女子高生の内面的な不満や欲求をそのまま暴力的なまでにスクリーンに映し出すことを試みた。

女子高生、なんとも魅惑的で謎多き生態である。私が九州の田舎から上京してきて、1番初めに驚嘆したのが、そのスカートの短さだった。どうやら東京には私の母校にあったスカートは膝下5cm以上などというよく分からない規則は存在しないらしい。
小田急線に乗車してくるスカートの短い女子高生たち。仏頂面でスマートフォンを操作するあの子は今、一体なにを考えているのだろうか。そんなことを考えながら、はたまたゲラゲラと楽しげに会話する女子高生たちに耳をそばだてながら私は電車に揺られている。
セーラー服やブレザー、制服を着た女の子は女子高生であることが一目瞭然に分かる。しかし、1人の女子高生が何を考えているかという個人の内面性までは分からない。内面性が分からないというのは、すなわちその女の子が女子高生のコスプレをしただけであって、その実、女子高生ではなかったとしても分からないということである。私はそんなどうしようもないことばかり延々と考えてしまう。彼女たちの中には一体、何が渦巻いているのだろうか。
人には見えている部分と見えていない部分がある。もちろん見せたくない部分、見せたい部分もある。そういったものを互いに推し量り、気を使いながら他人との関係性は築かれていく。しかし、私は傲慢にも見えていない部分や見せたくない部分を見たい、知りたいと強く思う。そういう対話がしたい。そこにその人が本質的に求めているものが隠れているのではないかと思うのだ。
そして、不器用な私なりにここまで長々と綴ってきた取り留めのない願望全てを託したのが何を隠そう本作の主人公、園田玲可なのである。『蛹の中』にはただ彼女の剥き出しの感情が煌々と存在する。 

監督:日高虎太郎

メインビジュアル

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予告編

メイキング

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