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大鹿村から吹くパラム

大鹿村から吹くパラム

2021|54min|ドキュメンタリー

イントロダクション

“こんな山奥も、必ず誰かが帰って来たいと思っている場所なんです”

福島原発事故から10年経った今、世の中にはSDGs(持続可能な開発目標)という言葉が少しずつ出ている。昔からその価値観を保存しているあるむらがある。ここは超高齢化が進んでいる大鹿村。

ここ大鹿村の最も奥深いところにある釜沢地区には移住者たちが作った特別な村がある。 世の中から一歩離れて暮らす彼らと偶然出会った韓国から来た留学生であり、監督の金明允キムミョンユンが見た大鹿村。 そこで吹くパラムは、今まで感じられなかった自然と共存し、自由に暮らす彼らの人生のように暖かく豊かだった。山の音しか聞こえなかったここ大鹿村には、いつの間にか東京から名古屋を結ぶ夢の新幹線<リニア工事>の音が聞こえ始めた。 大鹿村の住民は2016年11月から南アルプスを掘るトンネル工事とともに生きることになってしまったのだ。 何より、大鹿村が最も傷つけられたのは自然だけでなく、そこで暮らす人と人の関係だった。 リニアに対する考え方の違いで今、

住民の間で分断が発生し、お互いが傷つき疲れている状態だ。ダイナマイトの騒音、大雨による被害、細い道を通過する工事トラック…。今、大鹿村は今まで経験をしたことがなかった<リニア工事>の現場とともに、多くの変化と向き合っている。 この作品は少しずつ変わっていく大鹿村の風景と同時に、大鹿村住民の心を見つめる作品だ。

作品のタイトルである<パラム>とは韓国語で二つの意味がある。一つ目は<願い>、二つ目は<風>、大鹿村人たちの小さな<願い>が<風>のように届いてほしいという思いを込めた。

ストーリー

南アルプスが美しく望めるここは長野県下伊那郡大鹿村の釜沢。ここにはイギリスから移住してきたサイモン・ピゴットさんを中心に12人の住民が自然とのスローライフな生活を楽しんでいる。谷口昇さんは釜沢のシンボルである桜の木が切られていたのを発見する。実は、5年前の南アルプスを貫くトンネルの起工式以降、大鹿村ではリニア中央新幹線の工事が始まっていたのだ。変わりゆく大鹿村の風景に今、あなたは何を思いますかー。

キャスト

サイモン・ピゴット
高崎ティム
中村カリン
中村太伝
内田ボブ
遠野ミドリ
谷口昇
中村政子
前島久美
伊波ルナ

スタッフ

監督・プロデューサー:金明允
制作協力:古家渉、大谷斉意
撮影:金明允、植村二千果、金泰勲、張宇豪、シャプカティ
録音:古家渉、秦、大谷斉意
編集:古家渉、金明允
ドローン撮影:松澤則夫、シャプカティ


撮影提供:河本祐作
協力:愛ハウス大鹿村、八角堂、高森森の家、バウ牧場、大鹿村公民館
日本語監修:守内映子、大谷斉意、高橋実奈
英語監修:SEUNGJIN YANG、Celline eydieux、平山由紀子

監督コメント

“日本から韓国を守ろう!”

韓国語で<ドクド>、日本語では<竹島> 私は6年前、あの小さな島で2年間兵役を務めた。韓国で一番反日思想が強いところから出てきた私の中には小さな罪悪感とギルティ・プレジャーがある。日本に対する憎しみしかなかった小さな島から海をずっと眺めていた私は、6年後今は日本の山を眺めながらドキュメンタリー作品を作った。6年間私の中で何があったのか。日本にいる私は日本と浮気(パラム)しているのか。

この作品は私たちが大鹿村の人たちと一緒に作った共同制作作品だ。私の役割はただ流されている話を拾い集めることだけだった。私は大鹿村に種を蒔いてしまった。この種がこれからどんな穀物になるのか、実になるのか、わからないが見つめ続けていきたい。コロナウィルスで皆が苦労している今、この映画を通じて南アルプスの空気を感じ、大鹿村の暖かい風を感じてほしい。

作品が完成した今、作品が私を作ってくれた気がする。もう一度協力してくれた大鹿村の人たちと手伝ってくれたたくさんの方々に感謝を申し上げたい。

次の作品にある故郷の干潟に行ってみようかなあ 

監督:金明允

メインビジュアル

大鹿村から吹くパラム

予告編

受賞/上映