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モンキー・ビジネス

モンキー・ビジネス

2023|31min|ドラマ

イントロダクション

人との関わりを避けて常に一人で過ごす大学生の松本慎吾。ある日、林田と名乗る男から一緒に仕事をしないかと誘われる。林田は新種のドラッグを大学内で売っていた。初めは軽くあしらう慎吾だが、簡単に稼げることに惹かれ、ついに一線を越えた。次第に勢いに乗る二人。しかし少しずつ不穏な空気が垂れ込めていく。

主人公の慎吾を演じるのは、子役時代から多くの映画やテレビドラマで活躍し、『ハイポジ1986年、2度目の青春』でテレビドラマ初主演をつとめた今井悠貴。慎吾を誘いドラッグを売り捌いていく林田役を、映画『ブルーバーズの詩』で主演をつとめ、舞台やMVなど幅広く活躍する山田ジャンゴが演じる。脚本・編集は編集コースの高橋京佑。ドラック売買が行われている大学を舞台に、他人に無関心な人々や、ドラッグの世界に巻き込まれ追い詰められていく人々を緩急のあるストーリー展開で描く。監督は演出コースの新井雅大。慎吾の視点を中心にした演出と、切迫感あふれるカット割りでみせる。

先の見えない不安と忙しない日々の中で「自分さえよければいい」と起こしたそんな行動が加速させる慎吾と林田のドラッグビジネス。追い詰められ、明るみになるってゆく本性と秘密。裏に隠された得体の知れないものによって大きく動き出す物語は、結末まで目が離せないだろう。

ストーリー

人と交わることなく孤独に過ごしてきた青年、松本慎吾。退屈な大学生活を送っていた彼の前に林田と名乗る青年が現れ、タバコの包みを渡す。林田は「これをある人に渡してほしい」と告げ、その場を去る。突然の出来事に困惑する慎吾だが、言いつけ通り待ち合わせ場所に向かう。慎吾が待っていた男にタバコを渡すと、代わりに現金を渡される。

後日、再び慎吾の前に現れた林田は、あるビジネスを持ちかける。それは林田が作り出したという新種のドラッグ「ドロップ」を、慎吾たちが通う大学内で流通させるというものだった。一度取引に加担してしまった慎吾は、やむを得ず林田と手を組む事になる。他人に関心を持たずに生きる慎吾にとってドラッグの密売は天職であり、徐々にその市場を拡大させていく。思いがけず事が運び調子づく慎吾だったが、ドロップを転売した学生をリンチする林田を目撃したことで彼の心の中に不安が芽生え始める。

それでもなお密売を続けるが、取引で訪れたドラッグパーティーでバイト先の元同僚である美咲の姿を見る。自分の身近な人間が、自分のせいで薬物に手を染めたという事実にショックを受ける慎吾。美咲にドロップを止めさせようとするが、自分が売っている手前強く言うこともできない。慎吾は初めて、自分がもう引き返せないところまで来ていることを自覚する。やがて、美咲との取引の日が訪れる。ドロップを渡さずその場を去ろうとする慎吾だったが、そこに林田が現れ…。

キャスト

今井悠貴
山田ジャンゴ
北御門亜美
三宅克幸

藤川修二
石川けん
明石友洋
兼平麻椰
大瀬勇希
相良柚月
下村天舜
井上喜介
多賀谷康史

スタッフ

監督:新井雅大
脚本:高橋京佑
音楽:青山涼
プロデューサー:嶋田桂璃
撮影:渡会祟仁
照明:小野塚竜矢
録音:岩本柚
編集:高橋京佑
記録:河地竜輔
演出助手:藤田陸人、石紫嵐、閻作宇
制作:米永大志、姜坦
撮影助手:渡邉友哉、能勢祟冬、齋藤順平
照明助手:横田碧海、小川純佳、劉若曦
録音助手:北見直也、黄程、佐藤摩保、劉語童、山形亜蓮
編集助手:エンクトル・ビルグーン、河地竜輔、徐行、卓吟庭
特殊メイク:山口のえみ
アクション指導:渡部祐希
車両:大城義弘、山本剛、影山翔一


グレーディング:(株)IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 河原夏子
車両協力:バルクレンタカーアンドセールス
美術協力:高津装飾美術、日映装飾美術
取材協力:進藤龍也
ロケーション協力:東京外国語大学、桐蔭横浜大学、オオゼキ碑文谷店、東原橋、パートナーズ川崎店、藤井大翔、閻作宇、湯浅順平
キャスティング協力:プロダクション尾木、エーミュージック、Vivienne、浅井企画、レトル、大和プロ、ボランティアエキストラの皆さま

メッセージ

大学4年間の集大成とも言える卒業制作に私の脚本が選ばれ、嬉しい反面とても不安に感じていました。今まで編集部として脚本に向き合ってきたものの、いざ自分が書くとなると話は別。頭の中にあるイメージをわかりやすく推敲した上で、映画的にどう面白い表現ができるかを日々試行錯誤しながら臨みました。

この作品を書くにあたって、ブライアン・デ・パルマ監督の『スカーフェイス』から多くの着想を得ています。ドラッグや、それを取り仕切る裏社会の存在。何より、主人公がドラッグの密売に手を染め、転落していくという話の大筋はそのままです。それを日本を舞台に、かつ自分たちと近い年代の主人公でやろうとしたのが、この『モンキー・ビジネス』です。

人との関わりを拒絶し孤独に生きる慎吾は、ドラッグの密売を通して変化を遂げます。慎吾にとって他人とは、自身を侵害し得る恐るべき存在だったのが、その恐怖が薄れたことで自分と関係のないものとしか他人を見れなくなっていく。そのことに気づかぬまま、次第に取り返しのつかない局面まで追い込まれていく。

まだまだ未熟な脚本、編集ではありましたが、スタッフや講師の方々に支えられ、ようやくここまで形にできました。自分たちがこの作品に込めたテーマや、技術的にこだわったシーンが、どこまで皆さんに伝わるかはわかりません。でも、「面白かった」と思ってくれたらそれだけでも十分嬉しいです。

脚本・編集:高橋京佑

メインビジュアル

モンキー・ビジネス

予告編

メイキング

受賞/上映