録音コース

撮影現場での録音から、
スタジオでの整音、加工、最終ミックスまで、
映画の音を作るすべてのプロセスを学ぶ

映像に対して音がどのように関わるべきか、映画における音響表現の技術と理論を探究します。

録音コース

コース紹介

学びのポイント

POINT 1

映画の中で音がどのような役割を果たしているのか。そしてどうすれば作品にとって効果的な音表現ができるのか。現場から仕上げまで実践的に学びます。

POINT 2

映画やテレビの現場録音エンジニア、スタジオミキサー、音響効果の仕事に直結します。

POINT 3

撮影現場でとった出演者の声とBGMや効果音を重ねて、登場人物の心理や作品世界を音で演出します。

学びの流れ

2年次前期

映画における音の役割を理解する「録音基礎演習」

現場からポストプロダクションまで関わる録音技術者の仕事の流れを理解します。音の物理基礎、電気の基礎、デジタルの基礎など必要な知識を学び、映画録音に最低限必要な機材の使い方を⾝につけます。また、技術系コースとの合同演習を通して技術パートの連携を理解します。


2年次後期

高度な技術の修得を目指す「録音専門演習」

スタジオワークを学び、仕上げ作業の流れを理解するとともに、効果音やフォーリーへの造詣を深めます。プレイバック撮影、サラウンドなど、より⾼度な技術課題について学びます。また、音声のみでの作品(音声ドラマ)を制作することにより、音声表現の制約と可能性を学びます。


3年次前期

録音についての理解を深め、実践的なスキルを身につける「技術合同演習」

撮影照明、編集コースとともに、プロの監督の下で短編映画を制作します。現場ではレコーディング、マイクオペレート、マイクアレンジについて学びます。また、映画音楽について理解を深め、5.1サラウンドでの映画の音作りを学びます。デジタル録音の概念と、セリフ・効果音・音楽の担当者が協同して作品を完成させることを実践的に理解します。


3年次後期

15分の短編映画を作る「合同制作」

演出、⾝体表現・俳優、撮影照明、編集、マネジメントコースと合同で15分の短編映画制作を⾏います。多くのスタッフ、パートと協⼒して作品を作ることで、コミュニケーション能⼒と多角的視点を⾝につけます。ワイヤレスマイクを使⽤したマルチトラック録音と仕上げでの処理方法を学び、卒業制作に向けて録音の技術を⾼めます。


4年次

4年間の集大成「卒業制作」〈ドラマ〉

これまで修得したあらゆる知識と技術を総動員して、一般公開できるレベルの作品を制作します。出来上がった作品の上映まで自分たちの手で行うことで、映画をどのように観客に届けるのか、「見せる」ためのプロセスを体験的に理解し、映画の広がりについて学びます。(卒業制作上映会公式HPはこちら


メッセージ

弦巻 裕

平然と聞き流される音をつくる
それが理想の音づくり

弦巻 裕Tsurumaki Yutaka名誉教授/録音

脚本に「鳥が鳴く」と書いてあったら、どんな音を想像しますか? 同じ鳥でもスズメとカラスではそのシーンの印象が変わります。どんな鳥が適切か?季節や場所、その時代も考慮する必要があります。例えば雨の音。どこに降る雨なのか?草原、舗装道路、瓦屋根、茅葺き屋根、池の上…音は多様に変化します。そんな音を組み合わせて、映像にマッチし、映像を補強する音を作っていくのです。映画で使われているすべての音に、スタッフの熱意と工夫が凝縮されています。同じ映像でも、音が違えばガラリと印象は変わる。「どんな音を作り、使うか」という、音の奥深い楽しさと難しさに向き合い、音の引き出しを増やしていきましょう。