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美術監督

金勝 浩一

kanekatsu koichi
刺激を受けながら
世界観を構築する喜び

時代劇、SF、現代劇……。
作品の世界観がもっとも
ストレートに現れるのが美術だ。
脚本に書かれたものに始まって、
文字になっていない
細かな設定までをも
具現化していく作業。
映画からアトラクションまで、
幅広く作品を手がける
金勝さんに、気構えをお聞きする。

プロフィール

金勝 浩一

kanekatsu koichi

1963年東京都生まれ。横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)第9期美術コース1985年卒。94年に阪本順治監督『トカレフ』で美術監督デビュー。以降、映画、CM、TV、ネット配信ドラマ、店舗、アトラクションなど、幅広い分野を手がけている。

【おもな映画作品】
『ピンポン』(02)
『アフタースクール』(08)
『神様のカルテ』(11)
鍵泥棒のメソッド』(12)
『県庁おもてなし課』(13)
『杉原千畝 スギハラチウネ』(15)
『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』(17)
『恋妻家宮本』(17)
『旅猫リポート』(18)
午前0時、キスしに来てよ』(19)
前田建設ファンタジー営業部』(20)

最新作

  • 青くて痛くて脆い

    青くて痛くて脆い



    監督/狩山俊輔 原作/住野よる 出演/吉沢亮 杉咲花 配給/東宝(20 /日本)
    「君の膵臓をたべたい」で社会現象を巻き起こした作家・住野よるが、発売当時のインタビューで本人自ら「最高傑作」と語った衝撃の小説を完全映画化。「大切な仲間」と「居場所」を奪われた青年が、嘘と悪意にまみれながら復讐していく、青春の青さと痛さと脆さを描いた青春サスペンス。20年8/28~全国公開

    ©2020「青くて痛くて脆い」製作委員会

    公式サイト
    https://aokuteitakutemoroi-movie.jp/

10代の頃、スター・ウォーズシネスコで観て、映画が放つ世界観の大きさに憧れました。ほかにもいろいろなロードショーや、旧作の3本立てを名画座で観ているうちに、いつの間にか「映画をつくりたい」と決心していたように思います。

横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)を選んだのは、創立者である今村昌平監督の「映画づくりは米づくりと同じ」という考え方に惹かれたから。

映画も米も、どんなに一生懸命つくったとしても、必ずしも出来が良くなるとは限らない。思い通りにいかないからこそ、結果が読めない面白さがある。その考え方が心に響いたし、あれから時間を経て何本もの作品に関わったいまでも「その通りだな」と感じる。

今村監督の『復讐するは我にあり』に圧倒されたことも大きかった。

「美術も演出しているんだ」
美術監督を目指すきっかけ

映画監督に憧れていたときもありましたが、画面に映っているもののなかで、役者以外のものはすべて「美術」であることに興味を感じたんです。役者の動線を考慮しなければ空間を構築できない、「美術も演出しているんだ」とわかってきて、美術監督を目指すようになりました。

映っているもの、装飾、小道具はもちろんのこと、衣装、メイクも美術だと僕は思っています。映画は総合芸術。ひとりの世界観ではつくれない。絵を描くことや、文化祭や学園祭で徹夜をしながらみんなと作業をするのも好きだったから、作品の世界観を具現化していくこの仕事に惹かれたんだと思います。

意見の中間を取ると
まったく面白くなくなる

場合によっては企画段階から相談されることもありますが、基本的に映画美術の仕事は、シナリオを渡されるところから始まります。監督との事前打ち合わせで根本的な世界観を共有してから、シナリオに書かれている文字を読み、原作があればそれをサブテキストにして、イメージをふくらませていきます。

たとえばパーティーのシーンがあったとします。会場はどこなのか。テーブルはいくつ必要か。何人? 背広、和服? 洋食、和食? どんな風に料理は並べられる? 立食か着席か。時間が経過するにつれて、どの料理がどれくらい減っていくのか。人の動きは?

脚本に書かれていなくても、映画の画面に映るものはたくさんある。それらをすべて具現化して、プレゼンのためのイメージデザイン画を手描きやパソコンで描いていきます。

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※当時と違い、現在の日本映画大学では、
 コース名称と内容が変わったり、
 開講されていないコースがあります。