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編集

瀧田 隆一

takita ryuichi
監督の想像を越えるものを
提案し続けなければ

名作コミックを原作者・井上雄彦さん自らが
メガホンを取って映画化。
果たして『THE FIRST SLAM DUNK』は
大ヒットを記録した。
十数年もの期間、本作と関わってきた
編集の瀧田さんには
譲れないこだわりがある。

プロフィール

瀧田 隆一

takita ryuichi

83年東京都生まれ。日本映画学校20期編集コース2008年卒業。アクティブシネクラブを経てフリーランスに。22年よりKASSENに加入。

【おもな作品】
ドラマ/映画『鈴木先生』(11、13)
リトル・フォレスト』シリーズ(14、15)
羊と鋼の森』(18)
ちょっと思い出しただけ』(22)
THE FIRST SLAM DUNK』(22)

近作情報

  • この夏の星を見る

    監督/山元環 原作/辻村深月 脚本/森野マッシュ 出演/桜田ひより 配給/東映 (25/日本)
    2020年、コロナ禍のために部活動を制限された中高生たち。茨城県立砂浦第三高校の2年生・溪本亜紗は、リモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「スターキャッチコンテスト」に挑む──。25年7/4〜全国公開

    ©2025「この夏の星を見る」製作委員会

    公式サイト
    https://www.konohoshi-movie.jp/

──映画少年だったんですか?

「大の映画好き」というほどではないですが、高校生くらいからビデオをレンタルするようになりました。バラエティ番組やミュージックビデオなどもよく観ていたし、自分で撮影した素材を編集する作業も好きでした。
よく観ていた映画は『スターウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フィーチャー』など。それと岩井俊二監督の作品とかですね。ただ日本映画学校(現・日本映画大学)に入ってみたら、まわりの学生の映画知識がすごくて「全然かなわない」と感じましたけど(笑)。

──日本映画学校を選ばれたのはなぜですか?

「したいことがとくにないのに大学に行くのはどうだろう」と思って、高校を卒業したあと、カナダのバングーバーへ2年ほど語学留学したんです。「あわよくば海外で仕事を」とも考えていたのですが、行ってみたら逆に日本文化が気になり始めました。
やっぱり日本で映像の仕事がしたいっと思ったときに母の知人から「こういう学校があるよ」と紹介してもらったことがきっかけです。今村昌平という世界的な監督が校長だったことも後押しになりました。

腹の底をさらし合うなんて
経験したことがなかった

──2年次は編集コースを選ばれましたね。

当初は監督やプロデューサーに憧れていたのですが、やってみると撮影もライティングも、どの役割も楽しい。編集コースを選んだのは「合っている」という直感があったからですが、授業を通して、0から1をつくることよりも、「こう思うんだけど、どうしたらいいか」というお題から発想していく作業が楽しいと感じていたことが大きいです。
フィルムを切って繋げるとか、ひとりの作業が好きだったということもありました。編集によって作品の印象はガラリと変わるし、それを観たみんなが喜んでくれたことにも刺激を受けたんでしょうね。

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※当時と違い、現在の日本映画大学では、
 コース名称と内容が変わったり、
 開講されていないコースがあります。