2022年の冬休み映画で
ナンバーワンヒットとなった『劇場版 呪術廻戦 0』。
テレビシリーズに続き、今作の編集を手がけたのが柳圭介さんだ。
コミュニケーションから生まれる、その編集術とは。
プロフィール
柳 圭介
81年神奈川県生まれ。日本映画学校15期映像編集コース2003年卒。08年、「柳編集室」を設立。
【おもな作品】
『ルパン三世 princess of the breeze~隠された空中都市~』(14)
『東京喰種 トーキョーグール』(14)
『呪術廻戦』シリーズ(20〜)
『Ninja Kamui』(24)
『MONSTERS 一百三情飛龍侍極』(24)
『キングダム』第5シリーズ(24)
近作情報
Netflixシリーズ「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」
日本版声優/下野紘 ファイル―ズあい 監督/アベル・ゴンゴラ エグゼクティブプロデューサー/脚本/共同ショーランナー/ブライアン・リー・オマリー&ベンデヴィッド・グラヴィンスキー アニメーション制作/サイエンスSARU 製作/UCP, a division of Universal Studio Group (23/アメリカ/全8話)
売れないバンドマンのスコット・ピルグリムは、理想の女の子、ラモーナ・フラワーズと出逢った。しかし、ラモーナと付き合うためには7人の邪悪な元カレを倒さなければいけない……! でも今回はもっと事態が複雑に……!?
ブライアン・リー・オマリーのグラフィック・ノベルを基にした「スコット・ピルグリム・テイクス・オフ」は、熱狂的な人気を博した実写映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10)の原点に立ちかえり新たに描いた、アニメ作品。本作で柳は、アメリカ映画編集者協会が主催する第74回ACEエディー賞のアニメシリーズ編集賞にノミネートされた。
Netflixにて配信中
──なぜ日本映画学校(現・日本映画大学)に入ろうと思ったのですか?
もともとは建築をやりたかったんですが、その分野の大学に行けなかったんです。改めて進路を考えたとき、映画業界を考えました。
というのも、僕の家では、テレビはダメだけど、映画は観てもいいという謎のルールがあって、よく観ていたんです。もちろん最初は映画が職業になるとは思えなかったのですが、雑誌で日本映画学校の存在を知ったんです。
──編集を目指そうと思ったきっかけは?
最初は監督志望でした。でも1年のとき、岡安先生の話を聞き編集も面白そうだなと思い編集コースを選びました。
もうひとつは、フリーの不安定な生活をしたくなかった。編集はスタジオに就職できて、固定給をもらえると聞いたことも大きかったです(笑)。
編集ばかりやっていても
編集はうまくならない
──授業には真面目に出ていたのですか?
僕らのときは、映画学校に行きながらバイトもどんどんしろと言われていました。授業中なのに岡安先生に車でバイトの面接に連れて行かれたこともありました(笑)。