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芸人

池田 直人

ikeda naoto(レインボー)
自分はホームランバッターではないなと
気づいたんです。

──嫉妬ではなく、自分を責めたんですね。

もちろん嫉妬もありました。大学のみんなは社会人になった、僕は売れてない、お金もない、でも元相方は売れた……。年が明けてからの2017年、1年間はしんどかったです。
2018年お正月の『おもしろ荘』で優勝させてもらったときに、初めてバイトをやめられました。

──その1年は、なにを励みにしていたんですか。

大学を卒業してすぐ、『おはスタ』のレギュラー出演が決まったんです。小さい頃から観ていた番組に出られる、同じ芸歴でレギュラーを持っているやつなんていない、というところが心の支えでした。
現場に行くと、おもちゃ会社の人たちが待ち構えているんです。「新しいおもちゃです。紹介してください!」って。

──ギラギラしていますね。

いや、僕にはそれがキラキラに見えました。「子どもたちにこうやって遊んでもらって、喜んでもらいたい!」って。芸人と本質は変わらへんな、と感じました。おもちゃ会社に就職したいと思ったくらい(笑)。

次々に生まれてくる
新たに挑戦したいジャンル

──芸人としての理想像はありますか?

9年やっていて、僕はホームランバッターではないなと気づいたんです。同じセリフでも「ジャンボが言った方がおもしろいな」ってことが多い。
ここ1年で「あいつがおったら助かるな」という芸人になっていけたらと思うようになりました。細かく動ける芸人を目指そうと。

──芸人の醍醐味ってなんでしょう。

やっぱり劇場で、目の前のお客さんに伝える、笑ってもらえる、で、あとからお金がついてくる……こんな幸せな仕事はないなと思います。

──本当にお仕事を楽しんでやっていらっしゃるようにお見受けします。

めちゃ楽しいです。どんどん新しい、やりたいことが出てくるんで。
去年は吉本坂46の舞台で脚本を担当したんです。「書ききることが大事。途中でやめたら、それは作品にならないから」という大学の教えが活きましたし、これはネタを書くときにも役立っています。

──大学時代、お笑いに関する授業があったわけではないですよね。

専門学校時代は漫才の授業もあったらしいんです。いつか僕は、映画大学でその授業を復活させたい。

──恩返しをしたいわけですね。

映画大学に行ってなかったらつくれなかったネタもいっぱいありますしね。現場で映画大学出身のスタッフさんと出会えると超うれしいです。
このあいだは早坂さんというカメラマンさんとご一緒しました。「こちらから歩いていただけますか?」って言ってくれてたのに、同窓だと知ると、「もっとこっち!」って風に口調が変わって、しまいには機材を持たされたり(笑)。楽しかったです。

オススメ!この一本

うちではほぼ、流しっぱなしです。
『プリティ・ウーマン』

中学生のときに自分でお金を出してDVDを買いました。自分でネタにするくらい、一番観ている映画です。
女性が綺麗になっていく瞬間とか、どんな人にも救いの手は差し伸べられると感じられるところとか、大好きですね。再会シーンはいま観ても、ときめきます。
うちではこのDVDをプレイヤーに入れっぱなしにしていて、リモコンのボタンを押したらいつでもすぐ流れるようになっています。お気に入り映画の入れっぱなし。これは気持ちもやすらぐし、オススメです。

[photo]久田路 2022年2月に行ったインタビュー

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※当時と違い、現在の日本映画大学では、
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 開講されていないコースがあります。